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2018.09.12 10:36

究極の「黒」を実現 越前漆器おわんの製作進む

 鯖江市と連携協定を結んでいる慶応大大学院メディアデザイン研究科(KMD)の研究員らが越前漆器協同組合青年部などと共同で、「黒より黒い黒」をコンセプトにしたおわんの製作を進めている。産地の漆塗り技術に国内インキメーカーが新開発した塗料を融合し、より深みのある新しい“漆黒”を実現。本年度中の商品化を目指している。

 インキ世界大手の東洋インキSCホールディングス(東京都)とKMDが共同で取り組んでいるプレミアムカラーブランド「ZENBLACK(ゼンブラック)」開発の一環。

 同社のグループ会社トーヨーカラー(同)は、従来のカーボンによる黒さを超えた新塗料「カーボンナノチューブ漆黒インキ・塗料用分散体」を新たに開発。この技術を製品に落とし込むに当たり、業務用漆器で国内最大のシェアを持ち、塗り技術などが高く評価されている越前漆器産地に白羽の矢が立った。

 製品化第1弾となるゼンブラックのおわんは、昨年1月から製作が進められてきた。同青年部の漆器職人による試行錯誤の結果、多面体のおわんが完成。産地内からは「従来の漆器の黒よりも黒い」との評価が出ている。KMDなどは器以外にも眼鏡フレームや望遠鏡などに応用できないか検討を進めている。

 今年5月に東京で開かれた東洋インキグループのプライベートショーでお披露目されると、メーカーやデザイナーから大きな反響があったという。KMDの岸浪聖研究員は「大企業の新技術を地域の伝統技術が生かしている点も意義深い」と話す。

 同青年部とKMDなどは、石灰石を主成分にプラスチックの代替となる新素材の食器製作にも取り組んでおり、ゼンブラックを組み合わせた商品化も計画している。

 越前漆器産地は現在、海外に視野を広げた製品開発の取り組みをさまざまな角度から進めている。青年部の山岸浩司部長は「近年漆に新しい色が出てきているが、やはり黒が人気。ゼンブラックも魅力的な商品になるはず」と話している。

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